政府閣議にも押される花の印【花押】

コラム:花押

花押は、「かおう」または「かきはん」などと呼ばれます。花押は単なるサインではなく、名前の下に図案化した文字を書き加えて、もともとの名前のなかにあった不都合な部分を取り除き、よい文字の流れに変えることによって、子孫繁栄や家紋の隆盛などの願いが込められています。

江戸時代には、花押は一般的には私印よりも重く扱われ、正確な書簡を目上の人に出す場合は、ほとんど花押が使われていました。その名残は現在も残っており、政府閣議における閣僚署名は、明治以降現在も花押で行うことが慣習となっています。

(印鑑の基礎知識―知らないではすまされない― 金融実務研究会(著)より抜粋)